海浜センターにて、自然に関心があるなら誰でも登録できるというナチュラリスト申請を行い、さぁ、いよいよ野外活動のベタ定番!カレーライス作り!…である。が、肝心の食見海岸は雨模様。小雨になるのを待ち、少し遅れて12時過ぎから野外活動を開始。少々ロケーションが悪いが、コンクリートの上なので作業がしやすい。購入したコールマンのロールテーブルは簡易キッチンに丁度よかった。



安く楽しく安全に!をモットーにしているうみうし部だが、今回はカレールウにこだわった。普段ならせいぜい安売り98〜130円のバーモントで手を打ってしまうところだが、今回はメンバー総一致でグリコの「ぜっぴんルウ」を使用することにした。“割り勘”とはこういった時に威力を発揮するものである。2層製法によりコクのペーストをルウに閉じ込め、ご家庭でもプロ仕様の味が楽しめるというモノだがさて、その味は?




 

クッキングが始まった。基本の野菜は予めカットやボイルをするなどの下処理を行っていたため、時間の短縮に繋がった。あとはプラントで購入したメイン食材の鶏肉とゴーヤと茄子をカットするだけであった。

 
NAKAは自前のコッヘルとガスストーブから離れようとはしない。以前の活動の時の話し合いで、炊飯担当になってしまったのである。2週間前から飯ごうのことを考えると胃が痛んだというNAKA。そう、カレーが失敗する確率は限り無く0%に近い。だが、飯炊きは…!?飯が失敗すれば、カレーライスは台ナシだ。重いプレッシャーがNAKAにのしかかる。海浜センターでの失言もそのプレッシャーからだとすれば、同情できなくもない。失敗した時のためにカップ麺を購入しようというNAKAの提案を、我々は厳しく却下していた。果たして、NAKAの飯ごうは成功するのか…?なんだかこげくさい臭いがただよっているぞ!?

 
ここでうみうし部の調味料をご紹介しよう。
右から、ヤマサのエエぽん酢、角長の湯浅醤油、オリーブオイルエクストラバージン、奥能登の天然塩、である。液体はナルゲン容器にパッキングしている。液垂れすることがないのでストレスがなく、とても優秀だ。
カレーは煮込みに入った。コッヘルの飯ごうは?
先日、「フリーダイビングチーム無限」の初心者練習会でストップウォッチ機能の使い方を(やっと)知ったNAKAがスントを食い入るように見つめている。そしておもむろに、

「できた…開けよう」と呟いた。

時は来た。緊張の一瞬。カレーの運命は飯の出来具合にかかっている。上蓋をそっと開ける。米の状態は?
…やや透明で白っぽい。微妙に水分が足りていないように見受けられる。

「芯が残っているかもしれない」NAKAが呟いた。
「いや、食ってみないと分からないぞ!」NAKAに味見を促す。

NAKAはご飯をスプーンでそっとすくい、口へ運んだ。皆、その表情に釘付けだ…


 
「うまい…」

その瞬間、曇り空からは光が差し込み太陽が顔を覗かせた。海はモーゼの十戒のようにひび割れて我々を楽園へと導いた!私たちはひとつ、困難を乗り越えたのだ。そう、海は我々を見捨てなかったのである!
 

…とまぁ、そんな気がしただけであって、実際はどんより雲の下で、空腹に耐え切れず中途半端に煮詰めたゴーヤのほろ苦さだけが口いっぱいに広がるカレーを黙々と頬張った。米の堅さはちょうどよかった。コッヘルの下についたオコゲも悪く無い。我々は3合のメシをあっという間にたいらげ、持参した残り1合の米の炊き出しをNAKAに頼んだのだが、2度目は見事に失敗した…。3合よりも1合の方が難しいのだ。まだまだ海は私たちに厳しいようである。


ちなみに補足だが、今回からメンバーには自前の皿やコッヘルを持参してもらっている。資源の無駄遣いを出来るところから少なくしていく目的だったのだが、この取り組みはゴミの量も減って、一石ニ鳥であった。これからもマイ食器を持参することにしようと思う。
 
空腹から開放され、満腹感に浸る。まったり感がうみうし部を包み込んだその時…

「素潜りは!?」

そう。メイン活動はカレーライス作りでもなんでもないのだ…
海だよ海!!!
メンバーは急いでウエットに着替え始めたのだった。
時計は14時を少し過ぎていた…

 

 

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