サラリーマンの短い夏休みが始まった2007年8月11日。土木工事の影響で、愛すべき塩坂越を追われたうみうし部は第2のホームである神子海水浴場を目指していた。活動日は殺人的な猛暑。日本海の夏がとうとうやってきたのだ。モンベルのタープが今度こそは活躍しそうである。

参加者/MAYU、NAKA、パパラッチ、MAGYさん(途中参加)、秘密のよしりんさん(王将のみ参加)
向かった先はもちろんプラント。天気予報と波高をネットでしつこいくらいに調査した結果、今年最高のコンディションであると判断した我々は、プラントでの食材調達量をひかえめにして時間を稼ごうと考えていた。メニューはハマチの刺身(490円)と豚のチャーシューと北海道産とうもろこし、「18円の懐かしいコロッケ」である。

当初、炭水化物は日清の新作であるチキンラーメンの「焼きチキン」が候補に上がっていたが、プラントには5食パックのお買得品しか売場になかったので、我々は頭をかかえてしまった。味見程度にと考えていた我々にとっては量が多すぎる上に口に合わなかった時のリスクは高すぎる。ここは手堅くマルタイの某ラーメン100円2食入りで手を打つべきでは?いや、焼そばが食いたいなら、シンプルに日清の焼きそばにするべきだ!…等々を繰り返している間にも時間は刻々と過ぎて行く。

結局、「焼きチキン」の5パック入りでいいじゃないかという意見で満場一致。優柔不断なやりとりを行った結果、今回も退店予定時刻を20分もオーバーしてしまったのである。
鳥辺島のロケーションポイントに到着。見下ろすと、水中の地形がくっきり。一気にテンションがUPする。工事中の塩坂越の様子をチェックしつつ、ワクワクしながら神子に到着。トップシーズンなので海水浴客がとても多い。

テトラポットの周辺に生息する牡蠣の効果であろうか、魚の種類がかなり多いのが特徴だ。昨年は、タチウオと、小さなネコザメなるモノも泳いでいたことがある。さらにテトラポットの奥へ行けばマメアジのシャワーを見ることができ、ワイドに楽しめるポイントである。
タープとテーブルをセッティングしたあと、あまりの猛暑に耐え切れず、1ダイブすることになった。腰には「あそぼーや」直伝、新鮮な北海道産とうもろこしをぶらさげ(塩水でふやかすため)…



いざエントリー!

なんと水の青いことか。

サルパ大発生の地獄絵図を体感した我々の感想は「ここは沖縄か!?」である。(大袈裟ではない!)ちなみに透明度は8〜10mほど。今季最高の透明度である。神子の特徴のひとつである牡蠣の絨毯を存分に観察し、テトラポットの向こうに広がるに青い世界を堪能。マメアジの大群に突入したり、ベラやイシダイと戯れてみたり…やはり夏の日本海は最高である!
小一時間ほど海で遊び、モンベルのタープへ戻る。
MAYUはイスにドカっと座り、とうもろこしをかじった。半ナマだが、うん。いい出来だ。メンバーに「食え!」と勧めるも、みな「遠慮しておきます…」と首を横にふるだけだ。半ナマのとうもろこしがいけないのか、野生感たっぷりの三十路前の女がいけないのか、どちらに原因があったのかはみなさんの想像にお任せするとしよう。

野外クッキング

●ハマチの刺身
●18円コロッケ
●焼豚チャーシューのお惣菜
●日清の「焼チキン」
さっそく今回のメインである焼チキンの調理に取りかかる。みな、興味深々だ。初めにパパラ氏が挑戦したのだが水の分量を間違えたらしく、味が薄味になってしまったことと、調理中に水を減らしたことが原因でコゲてしまった。なかなか難しいではないか。コゲた味が強調されて、味の手ごたえがない。そう、求めているのは未知なる刺激。次はMAYUが挑戦。コッフェルの火力に気を遣いながら、少しずつ水分をとばし…チリリとコゲた音がすれば、すぐに火を止めて出来上がり。うん。色合いも良い!食ってみる。「うまい!」麺はやわらかめだが、薄く味付けされたチキンラーメン独特の味は、沸騰させることにより再度麺に浸透。日清の新しい技術には脱帽である。アツアツの汁気が不要な猛暑にはもってこいの簡単麺。イケるかもしれない、と絶賛していたのもつかの間、NAKA氏がふと、「これを夕食のメインにできるのか?」という愚問を投げかけてきた。箸の手が止まる。「……た、確かに」これを彼女なり、彼氏なり、オカンなりが食卓に出してきたら、我々ならどのような反応をしてしまうだろう。本当に主食にできるだろうか?…焼きチキン、まだ試していない方がいらっしゃったら、ぜひともその舌で確かめて頂きたい逸品である。
焼きチキンを頬張っていると、MAGYさんがやってきた。フリーダイビングの練習後に合流することになっていたのだが、手には何やら見慣れた網が握られている。そしてもう片方の手には…禁断の「ア●ビ起こし」が!!我々は県公認のナチュラリスト「うみうし部」じゃないか!一歩間違えたら、器材没収の上、懲罰もハンパではない。

…と、あたふたしていると、実は近所の旅館オーナーに頼まれたのだそう。「なぁんだ」地元漁師さんの許可が出たのならば問題はない。というわけで、2ダイブ目は急遽ア●ビ観察へと変更。勇み足でエントリーしたのだが、果たして漁の手応えは?
2ダイブ目は神子の左手を沖に向かいながら素潜りを楽しむことに。

地形は塩坂越ほど入り組んではいないが、砂地に生えてゆらゆら漂う海藻が美しい。生き物観察派の私とパパラ氏、ア●ビを狙うMAGYさんとNAKA氏の二手に分かれた。

MAYUは今回、カメラを持っていなかったので、まったりと素潜りを楽しむことに。最近のブームは魚と平行して泳ぐこと。「お魚になった私」状態で楽しんでいたその時、突然クサフグの大群が目の前を横切った。大人のクサフグの群れを見たのは初めてだ。なかなか機敏な動きであった…と、しばしカンドー。するとまた突然別の大きな群れがMAYUの目の前を横切った。次はなんだ!?まさかハマチ!?(←笑)と驚いていると…なんてことはない、ボラの群れであった。なんだよ…とガックリしていると、そのボラを猛スピードで追いかけるパパラ氏が!水中で追い付き、見事ボラをパパラッチ!…て、お前はなにをやっているんだ。笑
水温は水面で29度といえど、水着とラッシュだけで潜っていたため、さすがに寒くなり、適当な岩に登って太陽の光で変温動物のようにして体温を上昇させる。ア●ビ探索隊の様子は?…どうも苦戦している模様。パパラ氏とMAGYさんに「寒くないか?」と確認をすると、「寒い」とのことなので、エキジットすることにした。その間もNAKA氏は必死に大物を狙っていたのだが、漁は惨敗に終わった。
帰りはもちろん梅の湯。シーズン中だったので、風呂は満員状態であったが、館長にもしっかり挨拶しておいた。そろそろどういった集団なのかを館長に話してみてよいかもしれない。(リンクの許可も頂きたいし)朝からフリーダイビングの練習だったためにおネムなMAGYさんであったが、定番の王将にも付き合ってくださった。王将では「やまうし部」部長のよしりんさんが合流。よしりんさんは日本海の悲境、冠島へダイビングに行かれていたのだ。冠島でも透明度は最高だった模様。餃子のサービス券を頂き感謝感謝である。

次回は9月の常神を予定。

日本中を騒がせることになるであろうヤツらとの戦いが、今年も始まる…
オマケ

今回の神子活動時にNAKA氏が発見したウミウシ。
名前は「サガミイロウミウシ」だ。「コモンウミウシ」もしくは「ヒメコモンウミウシ」と間違うかもしれないが、イロウミウシ科に属する。特徴は背中の“吹き出モノ調”な白いプツプツ。笑

日本海では定番のウミウシだそうなので、探してみよう!かわいいぞ!

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